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人間はどこから

人間はどこから_b0030195_12362657.jpg不慮の事故で手足の自由を失い、筆を口にくわえ、花に寄せて命の詩画を歌い上げる星野富弘と大病に怯まず執筆を続ける作家三浦綾子の対話より。






三浦・・・ 私が時々お話しする中に、メーテルリンクの「青い鳥」の話があるんですが、幸福を求めて、チルチルとミチルが青い鳥を探しに行くんですね。
そうして、いろんな国に行くわけですけど、あるところへ行ったら、これから生まれる子たちがたくさんいて、未来永劫ですから、ものすごくたくさんの子どもがいるわけです。

その中で自分のうちに生まれて来る弟に合うんですね。
子どもたちはみんな何かのカードかなんか持っていて、それには自分の使命が書かれているんです。

弟にはどんな使命がかいてあるのか見てみると、猩紅熱にかかって、ほかにもなんだかの病気にかかって、三つ病気にかかるんですね。

それを見てお兄さんのチルチルが「つまんないじゃないか、それからどうなるんだ。」って言ったのかな。

そしたら「それから死ぬの」って言うのね。
「三つ病気して死ぬんだったらつまんないじゃないか」って言うと、「だって仕方ないでしょ」って素直にこの世に生まれてくるわけですね。
あれには打たれましたね。

そういうふうにして私がこの世に来たかどうかわからないけど、私もむやみやたらと病気ばっかりしましてね。

問題は、どこから来たかわからないけど、神さまのみこころによってこの世に生まれた。

そして、どこに行くのかということも、神さまのおっしゃるとおりであれば、神さまが、備えていてくださるところへ行くわけでしょう。
私には、それがどこかわからないけれども、神さまがいらっしゃるから安心だって思うのよ。

私が死んで、神さまも死んでしまうんだったら心配ですけどね。

神さまがなさることだから、風はいずこより、人間はどこから来て、どこへ行くのか、それも神さまは知ってらっしゃると思うんです。


星野・・・ どこへ行くかわからないけど、神さまは自分が死んだあともいてくださる。
いつも誰かが見ていてくれるというのは心強いですね。

誰も知らないで、何か喜んだり大事をしたりするのよりも、誰かいつもそばで見ていてくれるというのは・・・・・・


三浦・・・ 素晴らしいことだと思いますね。

私ね、これは気質的なものもあるかもしれませんけど、人から誤解されることがあったりするとき、弁解したらわかってくれるかもしれないけど、わかってもらえない状態というのも楽しんでいられるっていうか。

相手が、かっかっとしているときに何か言っても仕方ないし、神さまがわかってくだすっているのならば、しばらくの間、誤解されていてもいいじゃないかと思ったりもするのよ。
神さまと私だけが知っているなんて、すごい密接な関係よね。


 ☆★☆~ 三浦綾子の本は「塩狩峠」からずーっと20年間読み続けている~ ☆★☆
     苦しいとき、人を責める心があるとき。
     不思議なんですよねー
     そういう気持ちがすーっと消えてしまうんです。
by baranomi | 2004-12-25 11:30 | お気に入り
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